写真:岡 泰行

近江八幡山城の歴史と見どころ

近江八幡城現地では

山頂の二ノ丸跡に建つ展望資料館の2階に資料少々。そのほかこれまでの調査成果が分かる近江八幡市発行の冊子「八幡山城ウォーク資料集」など自治体で販売されている。

近江八幡の城下町メモ

1585年(天正13年)築城を開始、豊臣秀次はは18歳で入城するが3年しか八幡山城に居なかったと言われている。現在、訪れると城よりも城下町がその風景を遺していることで印象深いが、もともと13の集落があったところに安土より城下町が移転してきた。城下町は安土を踏襲するかたちで楽市楽座を導入したが、安土や彦根から往来する船には八幡堀を通らせ、税と取ったそうだ。城下町の道は4×9本引かれ中世では珍しい碁盤の目で武家屋敷は八幡堀の内側にあった。その後、八幡山城は廃城となるが、萱や畳を八幡商人が商売して町が残ることとなる。明治22年、米原〜大津間で鉄道が開通、この時、城下町から遠ざけられ、駅周辺は発展を遂げるが、城下町は取り残されることとなった。戦後、大阪の工場地帯を支えるため、琵琶湖から水の量を増やすこととなる。琵琶湖総合開発と銘打たれた事業で、この時、琵琶湖の堤防も整備されることとなるが、その頃、八幡堀にはヘドロが溜まり、悪臭を放っていたため、埋めてしまい駐車場にする案もあったらしい。地元有志がかつての八幡堀の景観を取り戻そうと活動し、今見られる姿となった。現在は水をポンプアップしている。

近江八幡山城の散策コース

八幡山城は、麓からロープウェイを利用する。年中無休でAM9:00~PM5:00まで。秀次居館跡は八幡公園の東側より大手道を上るがこちらは入場制限無し。もちろん街灯も無いので日中のうちに。なお、大手道を居館跡から進もうとしても整備されておらずルートも明らかでないため、とても山頂まで辿り着けない。山頂と居館跡は別々に訪れるのが良いと覚えておこう!

近江八幡山城の撮影方法

代表するアングルは1つ。城下町の新町通りから、うだつの上がる古い街並みと八幡山をセットでどうぞ。秀次居館跡は南向きだが夏場は石垣が草で覆われるので大迫力の石垣を撮影するには秋口が良いかも。

近江八幡山城の写真集

城郭カメラマン撮影の写真で探る近江八幡山城の魅力と見どころ「お城めぐりFAN LIBRARY」はこちらから。

近江八幡山城の関連史跡

八幡堀近江八幡城は「八幡堀」の風景に尽きる。秀次の築城時に防御・交通のために掘ったもの。琵琶湖の商船を立ち寄らせて城下の繁栄策にするなど、「殺生関白」というイメージだけではないらしい。または、織田信長の墓がある西光寺。もとは安土にあった寺が城下町移転に伴い移されたのだとか。

町屋近江八幡といえば、城下町に町屋が数多く残る。実際に見学できるものや観光スポットでいうと、西川利右衛門邸(旧西川家住宅)・伴庄右衛門邸(歴史民俗資料館)など。
旅情ただよう場所が好きな人は、新しい近江八幡の景勝地、カフェ「天籟宮(てんらいきゅう)」。文久年間築の畳問屋(旧喜多利邸)を改装しており、八幡堀に面する離れが圧巻。その風情は大洲城下の臥龍山荘と肩を並べると言ってよく、建物内の意匠と窓からの八幡堀の風景が楽しめる。1階席の上座か2階席がおすすめだ。また、八幡堀から物資を搬入する石階段は川のある城下町などでよく見かけるが、この旧喜多利邸は、石階段を登ると建物の入口となっておりその通用門と内部が現存しているのが珍しい。場所はかわらミュージアムの向かいで、月・火定休。歴史好きなら八幡堀を歩いたら迷わずここへ。余談ながら近江八幡には町屋が数多く残されているが、その9割が放置され朽ちるにまかされている。

近江八幡山城のおすすめ旅グルメ

近江八幡の銘菓「でっち羊羹」

近江八幡の銘菓「でっち羊羹」近江八幡で150年の歴史がある「和た与」で銘菓「でっち羊羹」を。大正天皇妃貞明皇后に献上された。素朴な甘さと味わいでお土産にも人気だ。店主は八幡堀の景観を取り戻そうと活動したメンバー。

近江牛

このあたりは近江牛の中心地と言っていい。地元の有名店は「毛利志満(もうりしま)」近江八幡駅から北へ5km。城の近くでという場合は近江牛有名店「まるたけ近江西川」八幡堀散策の後に徒歩で寄れる近さ。または「ティファニー」。こちらも近江牛有名店。1階で売られているコロッケは家庭の味で地元で愛されているのだとか。JR近江八幡駅から城に向かって徒歩3分。

クラブハリエ

八幡堀を渡ってすぐ左手にある洋菓子「クラブハリエ」。ここのバームクーヘンは絶品。130年老舗、和菓子の「たねや」の洋菓子部門である「クラブハリエ」は、大阪の百貨店でいつも行列ができている有名店。その本店がここ近江八幡にある。その日賞味期限の焼きたてのバームクーヘンを食すべし。

近江八幡山城の史跡めぐりにこだわる最適なホテル

「ホテルニューオウミ」JR近江八幡駅すぐ。安土城観音寺城城攻めなどのベースキャンプに。

近江八幡山城のアクセス・所在地

所在地

住所:滋賀県近江八幡市宮内町 [MAP] 県別一覧[滋賀県]

アクセス

鉄道利用

JR琵琶湖線「近江八幡駅」下車、バス長命寺行7分「大杉町」降車徒歩5分、または、近江八幡駅からレンタルサイクルで10分でロープウェイ乗場、4分「八幡山頂駅」下車すぐ。ロープウェイは年中無休でAM9:00~PM5:00。

マイカー利用

名神竜王ICから30分。市営駐車場2ヶ所。秀次居館跡も見るならロープウェイ乗場付近に駐車するのが良い。

城ファンの気になるところ (6)

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    山頂の北の丸からは、西の湖の向こうに安土城観音寺城が遠望出来るぞ。安土山のかたちがよく分かる。写真を1枚撮っておこう!

    ( 城の観光好き)

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    街をつくったご当人なので当たり前ですが、街中ではあちこちで秀次さんがおほめにあずかっています。全国でも珍しい街だと言えるでしょう。

    ( よーすけ)

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    山頂からは、近江八幡の町や琵琶湖がよく見えます。100万石にふさわしい城だと思います。10年で廃城になったのが実に残念。

    ( よーすけ)

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    山頂までロープウェイあり。今は城跡は「瑞龍寺」。秀次の母が京都に建てた寺を移築したものだとか。10年しかなかった城にしては、本丸あたりの石垣はそこそこ残っています。城からの見晴らし(街も湖も)なかなか結構。

    ( よーすけ)

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    近江八幡城は、私ども地元の人間は「八幡山城址」と呼ぶのが通称です。また城跡に移築された寺の名前から「瑞龍寺」と呼ばれる場合もありますが、ほとんどが「八幡山城」または「八幡山城址」と呼びます。

    ( 脇坂雅弘)

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    八幡公園裏手にある秀次公居所跡から更に竹薮に入ると、旧大手門跡の石垣があります。近年の調査結果では安土城と同様、一直線の大手道が続いていたとのことです。さすがに雄大な石垣で周囲の削平地(重臣屋敷跡)とともに百万石の往時を偲ばせます。更に入れば旧の登城路もあるでしょうが、全く未整備なのであきらめました。

    ( 三箇サンチョ)

城の情報

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