写真:岡 泰行

山崎城の撮影方法

山崎城(天王山城)山頂は山城なので、草が少ない秋〜春までの間にどうぞ。山崎城(天王山城)の遠景を撮るなら、淀川の対岸から。でも対岸へは徒歩ではちょっと厳しい距離。

1P3J4736登山道の途中に、旗立松展望台があり、山崎の戦いの古戦場を見おろすことができる。また、城から少し離れるが「さくらであい館」の展望塔からも、古戦場を見おろすことができる。2020年8月、展望塔に山崎の戦いの紹介パネルが設置された。開館は9時〜16時30分まで(京都府乙訓郡大山崎町)。

山崎城の写真集

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山崎城の関連史跡

山崎の地は、京都と大坂を結ぶ要所で、天王山に登れば、まるで広大な京都盆地からじょうろの先のようにすぼんで大坂に抜ける重要な場所であることが分かる。河川は宇治川、木津川、桂川が合流し、鉄道はJR在来線、新幹線、阪急電鉄、京阪電鉄とこの地で束ねられたように近い場所を走る。名神高速道路も大山崎JCTがあり現代でもその重要性は変わらない。ちなみに名神高速道路は山崎合戦の石碑があるあたりの真下をトンネルで抜けている。

余談ながらそのトンネルは「天王山トンネル」といって、その昔、「名神は必ず天王山で混む」といわれた渋滞の名所でもあったが、1998年に新たにトンネルが2本追加され、昔ほどは渋滞しなくなった。また、サントリーの山崎蒸溜所もあり、関西人には城好きでなくても「天王山」「山崎」という地名はよく知られている。

宝積寺(ほうしゃくじ)

宝積寺の三重の塔この山崎の地で、秀吉と明智光秀の山崎の合戦があった。山崎城はその要となった山城。「天下分け目の天王山」という重大な局面を表す言葉は、この山の名前に由来する。その山崎の合戦で、秀吉の本陣が置かれたのが、山の麓にある宝積寺といわれ、山崎城に取り込まれるかたちだったらしい。 この宝積寺には、ひときわ目を引く桃山様式の三重の塔がある。秀吉が天下を取った後、その御礼にと「三重の塔(重要文化財)」を建立したと伝わっていて「秀吉の一夜の塔」といわれているのだとか。天王山十七烈士の墓そのほか、秀吉が腰掛けたとされる出生石も境内に。三重塔の傍には「殉国十七士墓」の石碑があるが、これは、幕末の「蛤御門の変」の時に、長州藩に加わった志士がこの宝積寺に敗走し自決したその墓があることを指す石碑で、現在、その墓は天王山の中腹にある。

山崎合戦之地石碑と旗立松

山崎合戦之地石碑宝積寺から山崎城本丸跡に至る登山道で、山崎合戦之地石碑と旗立松がある。酒解神社の大きな鳥居の前だから見落とすことはないだろう。この場所から、大阪方面、京都方面と眺望が良く、合戦地を眺めることができる。付近には「秀吉の道」と題した絵もあって思わず長居してしてしまうかもしれないが、さらに登って、本丸までどうぞ。

千利休の茶室

妙喜庵JR山崎駅前に、妙喜庵(みょうきあん)という寺院がある。ここに茶室「待庵(たいあん)」がある。千利休が作った唯一の現存茶室で日本最古の茶室ともいわれ国宝に指定されている。山崎の合戦の後、秀吉が大坂城を築くまでの間、ここ山崎城を本拠としたが、このとき茶室が作られ、後に妙喜庵に移築されたものらしい。妙喜庵を見学するには、1ヶ月以上前に往復はがきで申し込む必要がある。または、「大山崎町歴史資料館」で原寸のレプリカが展示されているで足を運んでみても良いかも。

覚えておこう、国宝茶席三名席

現存する国宝の茶室は3つでそのうち1つがここ山崎にある。

  • 待庵(みょうきあん)妙喜庵
    千利休が建てたものでここ山崎にある。1ヶ月以上前に往復はがきによる事前申込で見学可能。
  • 密庵(みったん)大徳寺龍光院
    小堀遠州の作で、一説にはもとは大坂の黒田屋敷の茶室で、黒田長政が如水の菩提を弔うために建立した京都の龍光院に移築されたらしい。見学不可。
  • 如庵(じょあん)有楽苑
    織田有楽斎が建てた茶室で現在は犬山城下の有楽苑にある。月に一度、特別公開がある。

明智光秀本陣跡 指定地

山崎の合戦の時、明智光秀の本陣「御坊塚」と推定される場所が、ここ山崎城と勝竜寺城の間に2カ所ある。「恵解山古墳(京都府長岡京市勝竜寺30)」と「境野一号墳(京都府乙訓郡大山崎町下植野宮脇1-107)」だ。どちらかは定かになっていない。前者の恵解山古墳は、発掘整備が進められており、全景を見渡すためか、歩道橋の上に山崎の合戦についての解説板がある。後者の境野一号墳は、付近が住宅街といった風景でその一角が墓地になっており道路上に解説板があるぞ。

近郊の城

近郊の城は、勝竜寺城淀城・淀古城が近い。

山崎城の史跡めぐりにこだわる最適なホテル

ホテルデュー大山崎京都〜大阪間で泊まることがあまり無いかもしれないが、JR山崎駅前にビジネスホテル「ホテルデュー大山崎」がある。平成27年2月に全館リニューアルされた。日替わりランチや軽食も。

山崎城のアクセス・所在地

所在地

住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎天王山 [MAP] 県別一覧[京都府]

アクセス

鉄道利用

JR東海道本線(JR京都線)、山崎駅下車、徒歩10分で宝積寺(ほうしゃくじ)。そこから登山約40分。ハイキング装備でどうぞ。登山口は上記Googleマップ参照のこと。

マイカー利用

名神高速道路、大山崎ICから南へ4.2km(約10分)、宝積寺の駐車場を利用する。宝積寺からは、登山約40分で本丸跡。登山道途中で、山崎合戦之地石碑や旗立松、十七烈士の墓、酒解神社(神輿庫は重要文化財)がある。

城ファンの気になるところ (3)

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    山城なのでハイキング装備でどうぞ。麓の宝積寺から登山道は整備されています。

    ( 光秀)

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    天王山宝寺城は、豊臣秀吉と明智光秀が天下をかけて戦った山崎の合戦の舞台にもなった天王山の山頂に築かれています。山頂には、天守台がある残る本の丸と一段下に二の丸があるそうで。また、本の丸東側には竪土塁の遺構も在るようです。

    ( 末澤勲)

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    山崎の戦い後、大坂城が築城されるまで秀吉が本拠地としていた。山崎城(天王山城)の本丸には虎口跡や天守台、南側の曲輪には井戸跡などが残る。城のものなのか不明だが、本丸直前の登山道で宝篋印塔の転用石が階段に見られるほか、本丸周囲の曲輪には、いくつかの石積が見られる。

    ( shirofan)

城の情報

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