バイクの雨対策ゴアテックスの防水ウェアはあるのか

バイク・カメラギア

バイクウェアというのは、撥水ウェアはあっても防水ウェアは数少ない。バイクショップでは、アウトドアショップでは当たり前の「これ防水(ゴア)ですか?」といった質問も店員にキョトンとされることが多い。アウトドア系から入った筆者にとってはこれが不思議でならない。何故なら登山と同じく吹きさらしの状態で乗るバイク。となると、雨天時に完璧に内側が濡れないウェアがあると良い。荷物となるレインウェアを持ち運ぶ必要もなく、また着替える手間もない防水ウェア。おまけに湿気などを出す通気性を保つ機能があるので文句なしに快適なはずだ。そこで、登山ウェアでよく見かける防水規格GORE-TEX(ゴアテックス)を使用したバイクウェアを探すことにした。

なぜ、バイク用のGORE-TEX(ゴアテックス)ウエアが少ないのか。快適性に優れたGORE-TEXを使用した防水バイクウェアは少ないのには理由がある。GORE-TEX側が生産量に限りがあるため登山系以外のアパレル会社とは、GORE-TEX側があまり契約したがらないらしい。

国内で手に入るGORE-TEXのバイクウェアをリリースするブランドに、Goldwin(ゴールドウィン)がある。株式会社ゴールドウインは、ザ・ノース・フェイスを製造している会社でゴールドウインモーターサイクルとしてライディングギアを開発している。Goldwinはアウトドアのメーカーで同時にバイクウェアも製品化しているということだ。

筆者はこれまで、バイク目的のひとつに山城登山があるため登山ウェアを着用し、プロテクターを別途装着していたが、山に着いてからの脱着にストレスがあり、2年あまり悶絶した結果、GoldwinのGORE-TEX防水ウェアを手に入れた。実際に土砂降りの雨の中を100kmほどGoldwinのウエア、パンツともに一滴の浸水も無かった。上下ともにレビューを残しておきたい。

防水バイクジャケット

バイク用のジャケットは「GWM ゴアテックス ハンタージャケット」を選んだ。大阪では、南海部品で試着できる。サイズはLサイズが着たときのシルエットが良かったが、冬に中に着込むことを考えXLを選択した。試着した第一印象は、思いのほか生地が分厚く、早秋では暑いのではないかという不安を感じた。そこで気になるのが風通しだ。背中にあるベンチレーションを開放すると快適に乗ることができた。プロテクターは、胸、肩、肘、背が標準装備で、オプション対応でCORDURA(より強度の高いプロテクター)に変更することができるようだ。

気になるのはお値段で、Goldwinはバイクウエアとしては、結構な値段がするのであまり売れていない印象だが、GORE-TEXを買うという意味あいで、登山ウェアや冬用カメラ防水ギアを買うと思えば、この値段は実は安い。

ゴールドウィン(GOLDWIN) GWM ゴアテックス ハンタージャケット

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防水デニムパンツ

撥水はワークマンなどからも出ているようだが、そもそも撥水は長時間乗りバイクのスピードによりジーンズに雨水が強く当たるため、水がしみこんでくるようだ。要するにバイクは「撥水」ではだめで「防水」がいい。山城でゲリラ豪雨に遭ったことがある身としては、はなから防水素材であってほしい。そして軽くある程度頑丈であれば嬉しい。

ジャケットと同様に、Goldwinから「GWSゴアテックス デニムパンツ」が出ている。膝にはプロテクターが標準装備されている。この手のものは、外人向けに膝のプロテクターの位置が合わない印象があるが、膝を曲げて乗ることで、フォローする位置にプロテクターが来る。また、GORE-TEXの記事がデニム生地に圧着されているため裾直しが簡単にできることが最大のポイントだ。バイクゆえ裾は長い方が良いが、筆者は昭和生まれの短足体型、ものが海外のGoldwinだけに、ちょっと裾が長いのである。Goldwin製品は公式サイトからリペアサービスを受けることもできるが、圧着されてるがゆえに町の裾直し屋さんで1,000円ほどの手軽な価格で裾直ししても防水性に全く問題なく、筆者もそうした。一方、登山用のGORE-TEXパンツは、町の裾直し屋さんでは、GORE-TEXの記事に針で糸を通すため、発売時に保たれている製法が崩れてしまい防水が完璧でなくなるためあまり推奨しない。

ゴールドウイン パンツ GWS ゴアテックスデニムパンツ

ゴールドウイン パンツ GWS ゴアテックスデニムパンツ

もうひつつの選択肢、Foxfireの防水防風デニムパンツ

Foxfireの防水デニムパンツは、バイク用ではなく登山用でGORE-TEXが使用されたデニムパンツだ。2021年になってはじめて登場した。表地はデニム素材、中にGORE-TEX素材が織り込まれている。また登山が考慮されているので軽い。先のGoldwinと比べると裏起毛があり、冬はこちらの方が着心地が良い。ゴアをご存じの方が見れば、ふとGORE-TEXのラベルが黒ではなく白いことが珍しいが(下写真)、これはウインドストッパー(WINDSTOPPER)といって、風を通さないということを前面に推している。Foxfireによると、黒タグのGORE-TEXは、縫製部分も防水を示しており、この白タグは、縫製部分は完全防水でないという違いがあるらしい。欠点は、バイク用ではないためにプロテクターが装備されていないことだ。外付けのプロテクターを使用し登山前に外すという運用になる。登山用でデニム生地というのが珍しく、発売当初は即売り切れていたが、最近はレギュラー商品として定着しているようだ。こちらも土砂降りの雨の中を90kmほど走ったが、生地からの浸水は一滴も無かった。

Foxfireの防水デニム

[フォックスファイヤー] GORE-TEXデニムパンツ 【GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPER 採用】 【防風 裏地付き】 WS ゲイル パンツ メンズ

バイクにも乗れて山登りもしたい靴探し

バイクと山登りの両方に役立つ機能を兼ね備えたシューズは無い。多くの登山靴は、紐靴がギアに当たるためだ。つまり、どちらを優先するかを考えるしかない。登山を優先して考える場合、究極はスクータータイプのバイクに乗ること、爪先にそういったギアを取り付けて運転するという方法がある。

と悩んでいたら、これを解決する靴があった。KEENのカンザスシティだ。そう、KEENは登山靴のメーカーで、各商品名が都市名となっているが、さておき、その中にカーボン製の安全靴があった。また、紐の位置が高くギアに干渉しない。防水であることはもちろん、ソールに工夫があって濡れた岩の上で滑りにくいものとなっている。

KEENのカンザスシティ
KEENのカンザスシティ カーボン製の安全靴で濡れた場所でも滑らないソール

[キーン] 安全靴 KANSAS CITY KBF カンザス シティ ケービーエフ メンズ

靴というのは足型があってそれに準じて造られている。つまり、自分と合う足形を見つけてしまえば、その後、靴選びに苦労はしない。一般的にはKEENは、日本人の足には合いにくい印象だが、もしこれが合えば、バイクと登山を兼用できると言っていい。また余談ながら、Goldwinからも防水シューズが出ているが、ソールが登山靴なみに掘り込まれているものは一部の商品だけらしく、試着したことがないので日本人向けな足型なのかは分からない。

このサイトをご覧になられてる方なら予想がつくかもしれないが、筆者はKEENを400Xで使用していた。その後のADV160はスクーターのため、登山靴で乗っている。

防水グローブはいかに

防水グローブのラインナップは多い。GORE-TEXはGoldwinから出ているがグローブは、登山系の筆者でも割高感が否めなず、サイズも全く合わなかった。そこで別の防水機構、HiPORAを採用しているKOMINEのグローブを購入した。HiPORAとは、KOLON社によって開発された素材で通気性があり湿気を発散させる機能が特長と、GORE-TEXのうたい文句とほぼ同じだ。ショップ店員さんによると、GORE-TEXほどの安心感はないらしいが、なによりも手にフィットすることが大切で、筆者の場合、ナックルガードも付けているので、しばらくこのグローブでいきたいと思う。

KOMINEグローブGK-8341279 秋冬春向け防水防寒プロテクターストレッチ素材

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