姫路城の見どころと特別公開ガイド

東小天守 姫路城の特別公開の見どころ

東小天守は三重三階地下一階で4階建。大天守の北にある小天守で、かつては天守の北東にあるため「艮櫓(うしとらやぐら)」と呼ばれた。約8.8メートルの石垣上に建ち、地階から2階まで、南側はイの渡櫓に、西側はロの渡櫓に連結している。三基の小天守の中で最も小さい。南側を正面とする天守群、見栄え上、あまり見えない位置にあるため、花頭窓のような装飾も無い。特別公開時は、イの渡櫓2階から東小天守2階に入る。東小天守最上階は、2019年の特別公開時に初めて公開された。

姫路城天守群、東小天守の場所

東小天守2階(特別公開)

東小天守2階に入ってすぐに、東小天守3階(最上階)に続く木階段があり、左側に1室の内室がある。なお、東小天守2階から3階への階段は、小天守内にあるが(写真)、1階から2階への階段は、その小天守内には無く、両サイドに連結する渡櫓の階段を利用するかたちとなっている。

東小天守2階内部

東小天守2階内部
北側から見る東小天守2階内部。階段裏側の内室の壁は火縄銃の武具掛けとなっている。右手の通路(武者走り)は、ロの渡櫓へと続く。また、通路の上部中央に、通路方向に通した材が見られるが、これが最上階の壁があるラインとなる。

東小天守2階入側
内室の様子。壁には武具棚がある。普段は武器庫として機能した。

東小天守2階武者走りの用具掛け
武者走りの壁面には、L字型金具(折釘)と竹製の用具掛けが、他と比べ密集して設置されている。折釘は薬袋掛け、竹釘は火縄掛けといわれている。

東小天守3階(特別公開)

いよいよ、初公開の最上階に足を運ぶ。東小天守3階には、南面、東面には格子窓があり、北面には千鳥破風、西面には窓は無い。なお、全ての面に煙出しの窓が設置されいる。また、壁の上部には、大天守最上階と同じく、蟻壁(ありかべ)が設けられ、竿縁天井(さおぶちてんじょう)が設置されている。要するに、ちょっとおしゃれさんで格式がある。

東小天守最上階内部(東側)
最上階北面と東面。階段が設置され、東側の窓は、格子窓に加え、土戸と障子が設置されている。

東小天守最上階内部(北側)
最上階北面。写真中央に見られるのは、千鳥破風の内部。こういった櫓内部では珍しく千鳥破風を区切る板戸が設置されている。その両サイドに鉄砲狭間が見られ、壁の上部に火縄銃使用時に開ける煙出しの窓がある。

東小天守最上階内部(西側)
最上階西面はなんとも殺風景だが、これはロの渡櫓の屋根で窓を設置するスペースが無いためだ。壁には武具掛けが見られ、両サイド壁の上部には、火縄などをかける用具掛けが随所に設置されている。

東小天守最上階内部(南側)
最上階南側。中央はイの渡櫓の屋根で覆われている。その両サイドに大天守が望める格子窓がある。先の西面と同じく窓が無くても不思議ではないが、明かり取りと大天守との連絡用途ではないかと思われる。

東小天守最上階から見る大天守
東小天守最上階から見る大天守。手前の屋根はイの渡櫓だ。屋根に沿うかのように、大天守の格子窓が大小サイズを変えて設置されているのが、姫路城らしいカスタマイズ感があっていい。

姫路城東小天守3階への階段
東小天守2階から3階への木階段。

東小天守1階(一般公開)

一般公開エリアの東小天守の1階部分で、触れておきたいことがある。写真は、東小天守1階。東小天守1階入側間平面図「東小天守1階入側間内揚板」を確認すると、内室の中央の床には扉が設置されているようだ。これは揚板で地階と繋がる扉となっている。現在、その揚板の上には大天守の雛形模型が置かれていて(写真中央)、床の扉を確認することはできない。

姫路城東小天守1階内部
また、この写真は1階を写したものだが、2階の写真と酷似している(本ページ2枚目の写真)。それもそのはず、1階と2階は床面積も同じで、同じ位置に柱がある。東小天守1階、2階ともに南北約5.8メートル、東西約6.6メートルとその平面は微妙に歪み正方形ではないようだ。

姫路城東小天守1階にある軸組構造模型
東小天守内室にある軸組構造模型。昭和の大修理の際に、大天守解体修理要のため1/20で製作されたもの。その構造を把握検討するためのツールだ。この模型の下に地階に通じる扉がある。

姫路城東小天守1階に見られる筋交い
東小天守1階、北東のコーナー部分には大天守同様に筋交柱(すじかいばしら)が見られる。近代建築では多用される筋交柱だがこの時代の建築では珍しい。

姫路城東小天守1階から見るトの一門
東小天守東面の格子窓から、非公開エリアを見おろすことができるので、見ておくと良い。置塩城から移築されたと伝わる「トの一門」や折廻櫓などを見ることができる。

(文・写真=岡 泰行)

参考文献:
『姫路市史 第14巻 別編姫路城』(姫路市)
『日本名城集成 姫路城』(小学館)

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