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小諸城は中世の鍋蓋城を前身とし、天正18年(1590)に仙石秀久の改修によって近世城郭として整えられた。千曲川に迫る台地に築かれ、深い田切地形を空堀とする穴城の構えが特色だ。大手門や三の門などの遺構や懐古園の景観も魅力となっている。このページでは小諸城の歴史と構造、見どころを豊富な写真とともに紹介する。
写真:岡 泰行(城郭カメラマン)
小諸城の歴史・見どころ
小諸城は浅間山西南麓、千曲川に迫る台地の端に築かれた城である。その起源は平安時代の小室太郎光兼の館にさかのぼると伝わり、南北朝時代には大井氏がこの地を支配した。戦国時代、大井氏が衰退するなかで一族が中沢川のほとりに築いた鍋蓋城が、中世小諸城の始まりとされる。
天文23年(1554)、武田信玄の侵攻によって小諸は武田氏の勢力下に入った。信玄は佐久・小県地方の拠点としてこの城を重視し、鍋蓋城を取り込む形で城郭を拡張した。この際の縄張りには山本勘助が関わったという伝承が知られる。信玄は小山田昌行を城代として配置し、軍事上の重要拠点とした。
天正10年(1582)の武田氏滅亡後は織田氏、滝川一益、北条氏と支配者が相次いで入れ替わった。その後、徳川家康の家臣依田信蕃が佐久平定の拠点としたが、この時期は戦乱が続き、城の大規模改修は行われなかった。
大きな転機は天正18年(1590)である。小田原攻めの軍功により仙石秀久が5万石で入封した。秀久は慶長年間(1596~1615)にかけて大改修を行い、本丸・二の丸・三の丸や南北両丸、鍋郭に石垣や城壁を築き、近世城郭としての姿を整えた。また周辺の村々を北国脇往還沿いに移して城下町を整備し、与良町・本町・市町などが形成された。
江戸時代には城主の交代を経て、元禄15年(1702)に牧野康重が入封し、以後明治維新まで牧野氏10代の居城となった。なお寛永6年(1629)頃に天守が焼失した後は再建されなかった。
小諸城の特徴と構造
小諸城は標高約650mの台地上に築かれた平山城である。北西を中沢川、東南を蛇堀川に区切られ、浅間山の火山灰地に刻まれた深い田切地形を空堀として利用している。城下町より主郭部が低い位置にあるため、「穴城」と呼ばれる独特の構えをもつ。
縄張りは本丸・二の丸を軸として直線的に構成され、周囲に複数の郭が配される。本丸には帯郭状の石垣が巡り、その西北隅に天守台が設けられていた。現存する三の門は明和2年(1765)の再建であり、大手門は慶長年間(1596~1615)の建立と伝わる貴重な遺構である。



小諸城の整備状況
明治4年(1871)の廃藩置県により小諸城は役割を終え、明治13年(1880)に旧藩士らによって本丸跡に懐古神社が祀られ、「懐古園」として整備が始まった。大正15年(1926)には造園家本多静六の設計により公園としての骨格が整えられた。
戦後は昭和31年(1956)の都市計画決定によって小諸市が管理する都市公園として運営されている。平成19年(2007)には鉄道で分断されていた大手門周辺が改修され、大手門公園として整備された。現在は文化財としての価値が見直され、保存と活用の両立が進められている。
- 『日本城郭大系8』(新人物往来社)
- Webサイト「懐古園の歴史」(小諸市)
- 『懐古園の変遷について-小諸城跡と懐古園-』(小諸市教育委員会)
小諸城の撮影スポット・絶景ポイント
小諸城の写真集
城郭カメラマンが撮影した「お城めぐりFAN LIBRARY」には、小諸城の魅力を映す写真が並ぶ。事前に目にしておけば現地での発見が鮮やかになり、旅の余韻もいっそう深まる。
小諸城周辺の観光スポット・史跡めぐり
小諸城の歴史スポット
北国街道筋、徒歩5分の長岳寺に移築の足柄門(朱塗りの高麗門)あり。 また、北国街道筋に本陣・脇本陣跡など街並もいい感じです。そのほか、関係ないけど「寅さん会館」もすぐ近くにあり興味をそそられます。 また、ちょっと上田寄りの南側に、江戸時代の力士雷電の石碑がある。これが結構でかい。国道18号旧道沿い(若旦那・長利智祐 1998)
小諸城から広がる城めぐり
駅からすぐ行ける城
駅を降りるとすぐ歴史に出会える、駅前に展開する城郭をたどる。
小諸城周辺グルメ・名物料理
小諸城下は隠れたグルメスポットで美味しい老舗も多い。 蕎麦はもちろん、江戸時代は千曲川でうなぎが獲れた背景もあり美味しい鰻屋がある。当時、最強と謳われた力士「雷電」の生家が近く、その雷電にうなぎを振舞われ救われたという力士の関係のご子息が、神奈川の武蔵小杉で今も鰻屋を営んでいるという逸話も。車で行かれる方は、世界有数のバリスタが見える「丸山珈琲」が近く。午後の休憩に是非(kaorin27 2016)。
小諸城アクセス・駐車場・営業時間
所在地
住所:長野県小諸市丁311 [MAP]
県別一覧:[長野県]
電話:0267-22-0296(小諸市懐古園事務所)
アクセス
鉄道利用
JR信越本線、小諸駅下車、徒歩1分。
マイカー利用
上信越自動車道、小諸ICから、県道79号線、国道141号線を南へ3km(約3分)。駐車場有り。
小諸城:城ファンの知見と記録
小諸城を訪ねた人たちが残してきた記録です。現地での発見や知見が寄せられ、城歩きの文化の中で育まれてきた経験がここに蓄積されています(全7件)。







城内に宿泊できる模様。ちょっと怖いかも?
小諸城内に「小諸なる古城のほとり」で知られる、作家島崎藤村の記念館があります。他にも展示物は結構多いです。
鏡石がある。山本勘助が愛用したと言う?どでかい石。持ち運び不可!ここは城内の石垣が素晴らしい!
民家の間にある、小諸城大手門。木々が石垣をも覆い、全体は見渡しにくい。
懐古園の前身が小諸城。中世の雰囲気を残した「穴城」。城下町より低い場所にあるところが珍しい。
真田さんを上田から追い出した(笑)、仙石さんの最初のお城。お城の跡がそのまま公園になってます。ここにも動物園あり(笑)。なぜかお城と動物園は仲がいい?
メジャーな城は花見シーズンに攻めると大変……。深い空堀が印象的なのと千曲川方向の景色は最高。