大阪城特別公開の見るべきポイントとは?
大阪城は、嫌いな城ランキングにも、好きな城ランキングにも、両方に登場するなんとも不思議なお城だ。この理由はどこにあるかというと、嫌いな理由は、ずばり天守が鉄骨鉄筋コンクリート造で復興されたことによるものが多く、一方、好きな城に選ばれた理由は、11棟の櫓など重要文化財が残ること、他の城より秀でた石垣の壮大さ、つまり二の丸、本丸を含めた城郭全体がその対象であることが挙げられる。
要するに価値観が天守オンリーになってしまうと嫌い傾向になる。それでも天守は、大阪人からすれば、長く親しんだ天守なので、現在の象徴的なデザインに愛着を持っている人が多い。戦国時代を生き抜く立身出世のストーリー、武将の憧れの場所であるその残像が、見事に重なるからだ。天守についてはまたいつか触れるとして、ここでは、城郭たる大阪城を構成する建築遺構、重要文化財の続櫓、渡櫓、千貫櫓、焔硝蔵などの特別公開について、目に見えるものを中心にガイドしていきたい。
現存遺構の構造に造形を持ち、それをカメラに収めるのに、何日も要してしまったが、それぞれ現状でベストな写真を撮ることができた。ご笑覧くださいましたら幸いです。