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『お城めぐりFAN』は、現存最古の城Webサイトとなりました

LEGACY 1996個人サイト『お城めぐりFAN』は、1996年5月27日に開設し、2026年5月で30周年を迎えました。まだ「インターネット」という言葉さえ一般にはほとんど知られていない時代でした。検索エンジンも現在のようには整備されておらず、Webサイトを一から構築すること自体が、手探りの時代でした。

そして30年。日本全国の城を訪ね歩き、現地での観察や撮影を重ねながら、歴史や構造、美しさを伝え続けてきました。

サイトを始めた当時から変わらないテーマは、「旅」と「城」を結び付けることです。ただ歴史を紹介するだけではなく、その土地を歩き、風景に触れ、人と出会い、その場所でしか得られない体験まで伝えたい。その情報整理の土台になったのが、外山滋比古氏の『思考の整理学』でした。

当時の個人サイトには、現地で見聞きしたことや、旅先で得た話を持ち帰り、共有する面白さがありました。いまのように情報を整理して並べるというより、「その場所で何を感じ、何を知ったのか」を、それぞれが持ち寄る時代だったように思います。

写真を本格的に撮り始めたきっかけは、Canon EOS55との出会いでした。視線入力ができるカメラで、「見る」と「撮る」が直結するような感覚に惹かれたことを、いまでも鮮明に覚えています。

もちろん、まだフィルムの時代です。ポジフィルムの現像代とデジタル化だけで、多い月には14万円ほどかかっていました。当時の手取りは18万円ほどでしたから、今思えば、なかなか無茶な生活でした。

30年の間には、多忙で更新できない時期もありました。それでも、日本全国の城を歩き続け、現地で見て、現地で撮り、自分の言葉で伝えるという姿勢だけは変えませんでした。

この30年で、インターネットの世界は大きく変わりました。情報は瞬時に手に入り、多くのサイトが同じ内容を共有する時代です。

テレビの普及によって方言が少しずつ均されていったように、インターネットもまた、個性的なコンテンツを均質化しているように感じています。

だからこそ、現地でしか得られない体験には、以前にも増して価値があると思っています。

30年前も、情報は現地にありました。そして30年経った今も、その考えは変わりません。自分の目で見て、自分の足で歩き、自分で撮る。城を訪ねるたびに、新しい発見があります。

遺構だけではありません。地元の方との何気ない会話や、住職さん、学芸員さんのお話から、新しい史実や手掛かりに出会うことも少なくありません。

だから30年経った今でも、次の城へ行きたくなるのです。

30年という歳月の中で、教科書への写真掲載や、NHKなどのテレビ番組への出演・写真提供、全日本写真連盟・朝日新聞社主催「全日本お城写真コンテスト」の審査委員長など、多くの機会にも恵まれました。しかし、その根底にあるのは30年前と変わらず、城を訪ね、自分の目で見て、自分で確かめるという姿勢です。

城を訪ね、その土地を歩き、歴史に触れ、一枚の写真を撮る。

これからも、自分の目で見たもの、自分の足で歩いた記録を、写真とともに積み重ね、日本の城の魅力を伝え続けていきます。30年間、お城めぐりFANをご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました。そして31年目も、どうぞよろしくお願いいたします。

(岡 泰行)

お城めぐりFAN30周年:写真は1996年当時の取材メモ
写真は1996年当時の取材メモ