玄宮園
写真右手の池にせり出した建物が臨池閣、左手の赤いひさしの付いた建物が鳳翔台

彦根城玄宮園、鳳翔台と臨池閣

彦根城玄宮園は大名庭園だ。エリアは2つに分かれ、庭園部分を「玄宮園」、御殿部分を「楽々園」という。延宝6年(1678)、彦根藩4代藩主井伊直興が整備した回遊式庭園で、その景観は四季を通じて美しく、国の名勝に指定されている。

玄宮園を鳳翔台から観る

玄宮園の中に鳳翔台(ほうしょうだい)という築山に築かれた茶室がある。藩主が客人をもてなすための客殿で、殿様が座っていた場所から庭を望むと、軒先の柱がそれぞれ重なって1本に見えるからくりが施されている。床と軒でワイドに切り取られた風景がより美しく見えるという訳だ。その借景で想像しておきたいのは、今はそう見えないのだが、当時は玄宮園の向こうに雄大な琵琶湖が見えていたらしい。そう設計された。逆に、庭園を背に殿様の方を向いて座ると、その背後の頭上に天守が添えられた風景となる。そこに当時の演出の意図が垣間見られて面白い。

彦根城玄宮園の鳳翔台
玄宮園の築山に築かれた茶室、鳳翔台から望む庭園風景

鳳翔台の縁側
鳳翔台の縁側。室内側(右手)の柱と縁側(左手)の柱の位置が異なるのが解る

玄宮園鳳翔台の彦根藩主の席
玄宮園鳳翔台の藩主の席。背後に彦根城天守が見える演出がなされている

臨池閣を訪ねる

鳳翔台が続く建築群で、前の池にせり出した建物は「臨池閣」といい江戸時代のものだ。朝日新聞の記事によると井伊直弼が接待にも使ったらしい。この建物内はつい最近まで料理旅館「八景亭」が営まれていた。つまりちょっと贅沢に玄宮園に宿泊することができたのだが、2017年11月末、130年の歴史に幕を閉じた。筆者はその半年ほど前に内部を撮影する機会に恵まれたので写真を残しておこうと思う。

臨池閣(料理旅館八景亭)入口
臨池閣入口

臨池閣(料理旅館八景亭・松の間)
松の間

臨池閣(料理旅館八景亭・松の間)
松の間

臨池閣(料理旅館八景亭・浮見堂)
浮見堂

臨池閣(料理旅館八景亭・浮見堂)床の間
浮見堂の床の間

冬の彦根城玄宮園
冬の彦根城玄宮園もまたいい(積雪は年に2、3回)。

(文・写真=岡 泰行)

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