姫路城特別公開

二の渡櫓 姫路城の特別公開の見どころ

二の渡櫓は、大天守西小天守を繋ぐ渡櫓で、地階に設けられた水五門が天守曲輪の入口となっている。水五門は、潜り戸を設けた両開きの門で、鉄板張りの冠木門となっており、その上に地上2階建の渡櫓が設けられている。2024年2月の特別公開で、初めてその2階内部が西小天守から見られるかたちで公開された。

姫路城二の渡櫓の場所

二の渡櫓

二の渡櫓2階(特別公開)

二の渡櫓2階内部
2階内部は、東側(写真正面左手)に、大天守の扉が見られ、その装飾が右側の棚の中にも見られる。窓は、城内側である北側には木格子窓がひとつ(写真左手)、城外側である南側には、鉄格子窓が3つ設置されている(写真右手)。梁は正面のものは昭和修理時に新調されたものと思われる。

鉄砲狭間は、写真右側(城外側)に3つあるはずだが、この角度からは確認できない。外観から位置を判断するに、土戸の裏側にあるかたちで、使用の際は土戸を閉めるか、または外す必要があるのではないかと思われるが、いやもっと現実的に、土戸を半開きにして鉄格子窓、鉄砲狭間の両方からの射撃が望ましい。

二の渡櫓2階階段
二の渡櫓北西隅(写真手前左側)には、1階への階段が少し見えている。

西小天守から二の渡櫓入口
西小天守2階東南隅から見た二の渡櫓入口。本来は片引戸が設けられていた。特別公開時は片引戸は先の階段のところに置かれているらしいが公開されているアングルでは確認することができない。

大天守1階の二の渡櫓へ通じる扉
大天守側から見た二の渡櫓への扉。二の渡櫓内部から見る扉と異なり、一枚戸で潜戸が設けれていることから大天守への扉は二重扉と考えて良い。

二の渡櫓1階(非公開)

二の渡櫓1階木格子窓
二の渡櫓1階の槍落とし
二の渡櫓1階は内部非公開だが、図面から読み取れる情報を解説をしておく。面積は石垣に接する分、2階よりやや狭く、東西は石垣に沿って棚が設けれられ、城外側である南側には鉄格子窓が3つと鉄砲狭間が3つ、城内側である北側には木格子窓がひとつ(写真1枚目)設置されている。また、床面南側に直下の水五門に対する槍落としが設けられている(写真2枚目)。入口は2階から降りる階段のみの閉鎖的な空間となっている。

大天守1階から見た二の渡櫓と西小天守
大天守1階から見た二の渡櫓1階(写真左手)と西小天守(写真中央)。地面に見られる溝は二の渡櫓の雨落溝でもある。

(文・写真=岡 泰行)

参考文献:
『姫路市史 第14巻 別編姫路城』(姫路市)
『日本名城集成 姫路城』(小学館)

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