梅田の地下通路にある大阪城の千貫櫓の石組み
石垣が突然現れる大阪梅田の地下通路がある。阪神百貨店の東側から大阪駅前第4ビルをつなぐ地下連絡通路だ。この石垣は筆者が中学生の頃から記憶があるので少なくとも40年以上前からある。随分暗いところで人通りが激しい通路だったので、写真を撮るのに苦労したのを覚えている。ちょうどこの頃、アニメ関連のショップがこの先にあってセル画などを見に、よくこの通路を通ったものだ。今では、ディアモール大阪をはじめ地下街は広がりを見せ、この細い通路を通る機会も減ったのだが、先日、久しぶりに通ってみると、変わらぬ姿で石垣が鎮座していた。床には水堀をイメージした模様も見られる。

現地にかけられた案内板にはこうある。「この石垣は、大阪城の千貫やぐらの石組み(1620年、加藤清正の子、忠広が工事を担当)を模しています。この通路が、大阪築城400年の年に開通したことに因み、大阪城の石垣を築造したときの残石といわれる小豆島の石を用いてつくりました。」

そう、徳川大坂城築城時は、阪神間や小豆島などから、石を運搬し石垣を築いた。この石垣モニュメントはその小豆島の残石を使って造られたとのことなので、大都市の中心部で見られる歴史香る素敵な計らいだ。

地下街にある大阪城石垣の場所
場所はここ。

大阪駅前第4ビルに入る手前
阪神百貨店の地下東側通路を南に進み、大阪駅前第4ビルに入る手前にある。

石垣は大阪城の千貫やぐらの石組みを模している
石垣は大阪城の千貫やぐらの石組みを模している。隅部が算木積。昔と比べ通路は明るい。

(文・写真=岡 泰行)

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