竹田城の雲海を撮影する天守台上のカメラマン
マチュピチュのような絶景を国内で観るなら、兵庫県朝来市和田山町にある竹田城跡へ旅をしよう。朝霧に包まれた竹田城は「天空の城」と謡われ、訪れる者を圧倒する迫力だ。

竹田城の雲海チェックリスト

雲海が出る時期

  • 雲海が出る時期は、9月下旬〜4月上旬の早朝。時間は明け方から午前8時頃まで。
  • 11月下旬〜12月上旬がもっとも濃い雲海が出やすい時期。12月下旬から2月末までは雪が積もることがあるので危険度が増す。雲海が出る条件は朝来市のサイトに書かれている通り「よく晴れていること」「朝方と日中の気温の差が大きいこと」「風が弱いこと」がポイント。
  • 現地では前日深夜に播但連絡道路(高速道路)で、「霧注意」の表示が出ていれば雲海が出る可能性が高いそうだ。

いつ狙うべきか、雲海予報はできるのか?

雲海は、期間中いつ行っても常に出ているという訳ではない。雲海(朝霧)予報みたいなものが出来れば良いが現実的には難しいのが実情だ。そこで、いつ行くかの判断が難しくなるところだが、撮影者である筆者の個人的な狙い目を無責任に書いておく(※雲海が出ることをなんら保証するものではありません)。

日別の雲海予報

現地の天気予報を参照して(竹田城の場合、兵庫県の朝来市)、例えばこのような週間天気予報があったとする。ほかの日に比べて「最高気温」と「最低気温」の差が大きい日の翌日早朝を狙うと期待は高く(気温差で飽和した水蒸気が霧となる)、さらに前日から3日以内あたりに雨が降っていれば大量の雲海が発生する期待大、おまけに晴れ予報が出ていれば良い雲海の風景に出会える可能性が高い。風の有無も、より空気が冷えるかどうかといった霧の発生条件に関わるのでチェックすればなお良いだろう。

なお、週間天気予報はあてにならないから、筆者は前日夜の段階でもう一度、天気予報と気温をチェックしている(前日の夜発表の天気予報は、信頼度が高い)。また、もう少し詳しく書けば、前日の日中の最高気温とその翌日明け方の最低気温との寒暖差が大きい日が狙い目なので、前夜の予報は見逃せない。

下記の図は、実際に撮影した日の現地1時間毎の予報だ。
ウェザーニュース・竹田城なら兵庫県の朝来市をチェック)

時間別の雲海予報

明け方と日中の「気温差」を主にチェックし、風が少ないことも確認しておく。また、雲海が出ていれば、いつまで出ているかを予想するといった具合だ。この日は9時頃からやっと気温が上昇するとの予報(上図)だったが、雲海は見事に9時頃まで出ていた。

ちなみに、もっとも気温が下がる時間帯が朝6時とか明け方近くだと、朝霧が出てもあまりボリュームは期待できない感触だ。せめて朝4時頃には冷え込んでいて、朝霧が出ていることを確認したい。

なお、天気予報は配信もとによりその信頼性が大きく異なる。余談だが外部の気象データを読み込んで表示できるアプリケーションを作ろうと思えば、気象データ入手月額10万円クラスのものでないと信頼性がないと言っていい。

気象情報の確認には、できれば「ウェザーニュース」あたりを参照してほしい。気象庁のサイトでも同様に確認し、予報の信頼度、A、B、Cもチェックしておく。また、前日になると、湿度の予報も出ているので、50%〜90%と出ていると期待が高まる。

※繰り返すがあくまで撮影者である筆者の個人的な狙い目であって、雲海(朝霧)が出ることをなんら保証するものではない。

竹田城の雲海写真

夜と朝、ふたつの顔を持つ竹田城

朝霧に包まれた竹田城は、夜明け前と日の出後と2つの顔を持つ。日の出前と朝日が昇ったあととでその景色を変えるからだ。

流れ星も確認できるほど目映いばかりの満点の星空の下で、うっすらほのかに青白く輝く雲海。視界360度に深い青の世界が広がる。ほかでこれに勝る絵を見たことが無いといっていい光景だ。

また、11月上旬なら月が出ているので、月光でかなり明るい雲海が見られる。明るいということは、星は主要な星座が確認できるレベルで満天の星空ではない。個人的には満天の星空の方がぐっとくるが、月光も綺麗なものだ。

朝日が昇り始めてからの約15分は、太陽の光で朝霧の色が黄金色から白色へと刻一刻と変化し、やがて青空の下で白い雲海が取り巻く、青と白のコントラストが際立つ美しい風景になる。雲海はその演出を終えるかのように午前8時〜9時頃に薄まり上昇し消えてゆく。

夜明け前から行くなら要チェック

懐中電灯

夜の山。街灯など一切無いので、足下を照らす懐中電灯が必要だ。今風にスマートフォンのライト機能でも充分なのだが、できれば懐中電灯がひとつあれば安心だ。コンビニで売られているような昔ながらの電球のついた懐中電灯でも良いが、最近ではLEDライトも広範囲を照らせるようになってきたので(おまけに軽くて長持ち)登山でも充分なほどに活躍する。

夜の登山道は、たまに前方を照らして自分が進むべき道を確認するが、基本、足下を照らして歩く。手で持つタイプも良いが、一番楽に登れるのが、ヘッドライト型だ。近年、随分と軽量化され、点灯時間も長くなったし、何よりも両手が空くのが楽でいい。

余談だが、こだわり派は、白色LEDと赤色LEDと切り替えられるタイプのヘッドライトがお奨めだ。登山中は明るく照らす白色LED、眺望ポイントに着けば、赤色LEDで手元だけを照らす。夜明け前にカメラマンが多いところでは、たまに白色LEDで周囲を照らしていると、困った顔をされることがある。これは、星空を撮影していたり、せっかく夜に慣れた目が、すっかりやられてしまうからだ。

雨ガッパとか防水素材のお召し物を

雨対策ではない。ボリュームのある雲海が綺麗に出ればの話だが、深夜から明け方にかけて雲海は下降したり、竹田城を包み込む勢いで上昇したりする。雲海に包まれてしまえば、瞬く間にその水蒸気に包まれ、ちょっと濡れてしまう。おまけに寒い。ちなみにカメラにも露がついてしまうので、撮る瞬間まで鞄の中に置いておいて、三脚だけ出してセッティングしておくのが良いぞ。

防寒対策

登山やハイキングに慣れている人であれば問題ないが、夜明け前からとなると寒さは半端ではない。寒さを防ぐには、袖口や首などから体に冷たい外気を入れないこと。通気性の素材で作られた服もおすすめできない。つまり、首回りや胴回り、手首をしっかり隙間を無くし、服の内側の空気をあたためる工夫をしておくと良い。10月は最適気温は9度前後だが、11月の中下旬は最低気温2、3度の寒さになるので、この寒さが半端ない。苦手な人はカイロを持っていくと良いぞ。

竹田城跡から雲海を観るには、何時間前に行けば良いのか

雲海シーズンの夜明け前は、とにかくカメラマンが多い。天守台より南千畳を望む風景を撮るなら、天守台南東の角に2〜3人が陣取ってしまえば、もうベストショットを撮影する場所は無いと言っていい。夜明け間近まではその暗さから三脚が必須となるから、人が撮っている後ろで撮影というわけにもいかないのが、つらいところだ。

竹田城の雲海写真夜明け前

大量の雲海が期待できる日は、夜明け2〜3時間前がおすすめ。
(日の出時間:10月〜11月の日の出は、おおよそ6時〜6時30分)

朝日が顔を出した瞬間、被写体が「南千畳」から「朝日」にかわったカメラマンは全体の9割。お城好きな人は夜明け前にはあまり見かけないと言っていい。つまり、日が昇ってしまえば夜明け前にいた写真家のほとんどが天守台から姿を消すので、午前9時あたりまで出ている雲海を落ち着いて撮影できる。夜明け前からの登城は、夜の竹田城を見てみたいときということで。

竹田城の案内図

駐車場は「山城の郷」

「山城の郷」の駐車場を利用する。そこから天空バスで中腹バス停まで約10分。徒歩20分で城跡へ。
または、城下町にある「まちなか観光駐車場」「城下町観光駐車場」から徒歩約10分でJR竹田駅前から出ている天空バスで約20分で中腹バス停。徒歩約20分で城跡へ(詳しくはGoogleマップを参照)。

下記、備忘録として書いておく。ブーム到来前の竹田城は、天守台のある本丸の回りに「花屋敷」「南千畳」「北千畳」と3つの郭が羽を広げるようにあることを頭に置いていただいて(上図参照)、車を駐車できる場所は、花屋敷方面と、北千畳方面(大手門跡前)の2ヶ所だった。その昔は大手門跡前の駐車スペースが便利だったが、現在はその道は徒歩のみ通行可となり、車は入れない。この大手門前、実は3台が限界だった。それ以上停めるとUターンができなくなるため、常連さんが寝ずに見ていて入ってくる車に注意をしていた。暗黙の運用ルールで良い時代だった。

電車アクセスの場合

電車アクセスの場合は、JR竹田駅となりの和田山駅付近のホテルに泊まり、タクシー利用が良い(和田山駅から現地まで車で約20分)。運行は朝5時以降。タクシーは要予約(朝は台数が少ないため)。「竹田城の雲海が見たい」と言えば、対応してくれる。
なお、夜明け前の風景は興味がなく、写真こだわり派でもない場合は、朝6時とか7時とかのタクシー利用で日の出から1〜2時間ほど出ている雲海を楽しめる。時期により異なるのでタクシー会社に相談するも良いかも。

全但タクシー TEL:079-672-2807
旭タクシー TEL:079-672-3221
ふく福タクシー TEL:079-670-1269

竹田城の雲海を城外から望むスポット

立雲峡(りつうんきょう)から

レンズ焦点距離:100〜180mm

立雲峡から望む竹田城竹田城の東南にある朝来山「立雲峡」に登れば、竹田城跡のある虎臥山全体が望める。雲海シーズンになれば、雲海に浮かぶ船のようにアングルが得られる撮影ポイントで有名だ。

藤和峠(ふじわとうげ)から

レンズ焦点距離:125mm〜200mm

藤和峠から望む竹田城竹田城から県道136号線を西へ約2kmに位置する藤和峠。ドアツードアで見られるポイント。竹田城を西側から望むため、竹田城がシルエットとなる眺望が得られる。明け方は朝日とセットに撮影もできる。

大倉部山から

大倉部山は標高651m。北側にある観音寺から完全登山90分で山頂に。松茸山でもあるので入山が禁止されているエリアや期間があるらしい。竹田城より標高が高いため、見下ろすかたちとなる。

金梨山から

金梨山は標高442m。立雲峡のある北側の山。円山川付近から完全登山。岩谷大権現付近から竹田城を望めるらしいが、巨大な岩が少し邪魔するらしい。

但馬自然学校から

立雲峡のさらに東に位置する「但馬自然学校」に2014年に見晴らし台が設置された。同学校が開校20周年を記念し、見晴らし台を2014年5月7日に新設。一般利用は、自然学校の利用がない時に15人以上の団体で事前に予約すれば利用できる。

天空の城は、ほかにも。

岡山県高梁市にある備中松山城は、現存天守を有する名城。越前大野城は福井県にある城だ。まだあまり知られていないこの2城も要チェック!

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