香宗城の歴史・見どころ

香宗城の歴史

香宗城(こうそうじょう)、別名・香宗我部城(こうそがべじょう)は、香宗川下流の西岸に築かれ、鎌倉時代から戦国時代にかけてこの地を治めた香宗我部氏の居城だ。建久4年(1193)6月、中原(大中臣)秋家が宗我・深淵両郷の地頭に任ぜられたことに始まる。のちに秋家の一族は地名に郡名を冠して香宗我部氏を称し、承久の変後には勢力を伸ばして領主としての基盤を固めていった。

鎌倉時代後期には成通、朝通、重通らへ地頭職が受け継がれ、嘉元4年(1306)の重通の譲状には、地頭職と領内の田畠を一族へ分与したことが記される。南北朝時代には秀親が活動し、康永4年・興国6年(1345)に地頭職を子の秀房へ譲った。その後、秀種の時代には物部郷まで所領を広げたが、一族の分家・支流との対立もみられるようになった。

戦国期に入ると、香宗我部氏は東部で勢力を伸ばす安芸氏と対峙した。大永6年(1526)、親秀は安芸備前守と戦い、嫡子秀兼が戦死する。親秀は弟の秀通を後継者としたが、長宗我部国親の勢力拡大と安芸氏の圧迫を受け、国親の三男親泰を養子に迎えて長宗我部氏との連合を図った。これに秀通が反対したため、弘治2年(1556)、親秀は秀通を謀殺したと『日本城郭大系』は記す。永禄初年(1558)には親泰が香宗我部家を継いだ。

親泰は長宗我部元親の土佐統一戦に加わり、永禄12年(1569)に安芸氏が滅ぶと安芸城主となった。さらに阿波方面へ出陣し、元親の四国への勢力拡大を支えた。

文禄元年(1592)に朝鮮の役が始まると長子親氏が出陣して戦死し、代わって出征した親泰も文禄2年(1593)、長門で病死した。親泰は香宗我部氏の菩提寺・宝鏡寺に葬られた。親泰・親氏の死後は、親氏の弟親和(吉親)が幼くして家督を継ぎ、中山田泰吉・秀政兄弟が補佐した。関ヶ原の合戦後、親和は土佐を離れ、肥前唐津の城主・寺沢広高に仕えた。これにより、長く香宗の地を本拠としてきた香宗我部氏の支配も終わりを迎えた。

香宗城の特徴と構造

香宗城は香宗川下流西岸、土佐湾から約2.5kmの香長平野東部に位置する平城で、城館としての性格を持つ。城域は約120m×160mで、八幡神社のある一帯から南へ広がっていた。城の北部には御主屋があり、旧城郭内には米木戸、二の構などの地名が確認されている。

現在は八幡神社付近と、南東に位置する宝鏡寺跡北側の小道を西へ進んだ付近の2カ所に、二重土塁の跡が残る。後者付近の地字は「二の堀」と呼ばれ、小道を隔てた南側は「南館」と呼ばれる。この小道付近が城域の南辺とみられている。城跡は開墾によって水田化が進んだが、八幡神社の社壇付近と宝鏡寺跡は周囲より高い地形を保つ。

『日本城郭大系』では、城の礎石は付近の小溝に架かる石橋として転用され、そのうち一基は立山神社境内へ移されたとされる。城の南約2kmには、香宗我部城下の市場集落だった赤岡の集落が位置している。

香宗城の整備状況

香宗城跡では、土塁跡とみられる残丘が確認でき、その上に八幡宮社が鎮座する。現地には城跡を示す石碑と説明板が設置されている。

城跡の南南東約500mに位置する香宗我部氏菩提寺の宝鏡寺跡は、昭和52年(1977)3月29日に高知県史跡に指定された。現在は寺域西南に観音堂があり、南側には五輪塔14基など、北側の一段高い場所には香宗我部親泰らの石塔や板碑が残り、香宗我部氏の歴史を伝える史跡として保存されている。

参考文献:

  • 『日本城郭大系15』(新人物往来社)
  • 「宝鏡寺(香宗我部菩提寺)跡」(香南市)
  • 「宝鏡寺(香宗我部菩提寺)跡」(高知県教育委員会)
  • 「香宗城跡」(香南市観光協会)

香宗城の撮影スポット・絶景ポイント

香宗城に残る土塁はおおむね南向きで、日中は比較的光を得やすい。撮影時間を厳密に選ぶ必要はなく、午前から午後まで訪れやすい城跡だ。土塁上の八幡宮や城址碑、説明板もあわせて撮影しておきたい。

香宗城周辺の観光スポット・史跡めぐり

香宗我部氏の菩提寺・宝鏡寺跡

香宗城跡の南南東約500mに位置する、香宗我部氏の菩提寺・宝鏡寺跡。香宗我部親泰が開基したとされ、現在は観音堂が建つ。北側の墓地には親泰や親氏をはじめ一族・重臣の墓が残り、香宗城とあわせて香宗我部氏の歴史をたどることができる。昭和52年(1977)に高知県史跡に指定された。

香宗城アクセス・駐車場・営業時間

所在地

住所:高知県香南市野市町土居 [地図を見る]

県別一覧:[高知県の城]

電話0887-54-2296(香南市教育委員会 生涯学習課 文化振興保護係・文化財センター)

アクセス

鉄道利用

土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「あかおか駅」下車、北へ徒歩36分。

マイカー利用

高知東部自動車道(南国安芸道路)、香南のいちICから、約4分(2.2km)。

地図