竹田城の歴史・見どころ

竹田城(たけだじょう)は、播但街道(但馬街道)、山陰街道が通り山陰地方、山陽地方、京都を結ぶ要所にある。近年の地図でも、JR山陰本線や播但線(ばんたんせん)や高速道路が付近を縦横に走っている。城は嘉吉年間(1441〜1443)、但馬国守護・山名持豊(宗全)の被官で守護代の太田垣氏(異説あり)の築城とされ、代々の城主も務めた。竹田城は尾根に多くの曲輪や竪堀などを設けた大規模な山城であったようだ。この頃は石垣は無く、土の城だったと考えられている。

天文7年(1538)以降は、生野銀山の採鉱が本格化し、その領有権でも重要な城となる。秀吉が姫路に入って後、西の上月城を攻め、弟の小一郎秀長は、天正5年(1577)、3,000の兵で但馬攻めを行い竹田城は陥落する。石垣は主に文禄年間から慶長初期の間に、当時秀吉配下となった元播磨龍野城城主、赤松広秀(斎村政広(さいむらまさひろ))によって修築された。関ケ原の戦いで西軍に属した広秀は戦いの後、東軍に寝返り、亀井茲矩(かめいこれのり)に従って鳥取城攻めに加わるも城下焼き討ちを咎められ自刃。竹田城も廃城となった。織豊時代を代表する石垣群が現代まで残り、400年の経て修築され竹田城跡は昭和18年(1943)に国指定史跡となった。

竹田城の構造は、標高353.7mの古城山の山頂には本丸と天守台、そこから三方向の尾根上に羽を伸ばすかのように、北千畳、南千畳、花屋敷が置かれている。この3曲輪はほぼ同じ高さに設計されている。ぐるりを取り巻く石垣は、近江の穴太衆による石垣と同技術の野面積みで、地形に沿って複雑な「折れ」(シノギ積みなど)が多用され、隅角部の算木積みや反りなど織豊期の特徴がよく表れている。だが、後年の石垣に比べるとやや未発達で、石垣の技術進化の過渡期に築かれたことが窺える。

「天空の城」「東洋のマチュピチュ」と呼ばれ、来訪者の多い竹田城。遺構へのダメージを考慮して見学ルートが設定され、立ち入り禁止の場所もある。景観を後世に残すためマナーを守っての登城を心がけたい。

竹田城天守台から南千畳
天守台から南二の丸・南千畳を望む。雲海をバックに連続する曲輪が実に遺跡らしい。

竹田城の天守台
最高所にある天守台。織豊期の特徴を色濃く残す穴太積みの石垣。

竹田城北千畳の虎口
北千畳への入り口となる大手虎口は「折れ」を利用した桝形が形成される。通路正面石垣には鏡石が設置されている。

竹田城北千畳から望む天守台

竹田城のおすすめ散策コース(所要時間・順路)

登山時の注意事項

天空の城、竹田城址は山頂に残る戦国時代の遺跡。冬は積雪があるため、12月下旬あたりから2月までは積雪があり危険(主に2月は入山禁止、12月は積雪等があった場合、入城規制がかかることがある)。また雲海を夜明け前から狙うときなど虎臥山の山頂にあるため暗くて危険だ。充分に注意しよう。なお、山だからといってテントを持ち込んだりしてはいけない。竹田城は重要な文化財、史跡なので、マナーを守って登城しよう。

竹田城の撮影スポット・絶景ポイント

立雲峡から望む竹田城の雲海竹田城といえば、雲海に浮かぶ姿が圧巻の天空の城だ。加えて、その遺跡らしさから日本のマチュピチュとも称される。雲海の竹田城を捉える撮影スポットは、構造美が優れる天守台からの雲海、竹田城が船のように浮かぶ姿を捉えることができる立雲峡、シルエットで幻想的な藤和峠の主に3カ所で、それぞれ特筆すべき絵的な要素がある。雲海の発生条件と合わせて、何ミリのレンズがあれば良いかなど撮影方法を詳しく解説。ページ前半は雲海の発生条件、後半は3スポットを掲載。

竹田城の写真集

城郭カメラマンが撮影した「お城めぐりFAN LIBRARY」には、竹田城の魅力を映す写真が並ぶ。事前に目にしておけば現地での発見が鮮やかになり、旅の余韻もいっそう深まる。

竹田城周辺の観光スポット・史跡めぐり

法樹寺竹田城の駐車場横には山名氏と赤松氏の供養塔がある。この辺りは山名と赤松の激戦地。余談だが両家は今に続いているらしい。また、JR竹田駅の駅前の「法樹寺」に足を運んでほしい。白壁には鉄砲狭間がある。緊急時、砦になるとのこと。鉄砲の弾痕もあったというウワサがあったが、2005年10月20日の台風23号の影響で裏山が崩落し、境内にあった石垣も崩落した。境内には竹田城最後の城主、赤松広秀の墓が残る。ちなみにこの法樹寺の前の道は旧街道。そして法樹寺の北側には竹田城への当時のルートである登山道がある。

生野銀山また、ちょっと足を伸ばせば、「生野銀山」。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が、佐渡の金山とならび財源にした採掘場だ。坑道の距離が総延長350kmというから東京~仙台間の距離に匹敵する。そのうち1kmの坑道を歩くことができる(所要時間は約40分)。当時の坑道を掘り進むスピードは1ヶ月に30cm、実際に目にすることで銀の産出が、いかに労力が必要で危険な作業なのかが伝わる。ガイドを頼むとなお面白いぞ。

余談ながら現地の古老によると、この地はもともと「死野(しの)」と言ったらしく、それでは縁起が悪いからと「生野(いくの)」になったのだとか。

竹田城から広がる城めぐり

天空の城

天空の城で知名度が高い城は、兵庫県朝来市の竹田城、岡山県高梁市の備中松山城、福井県大野市の越前大野城がある。

そのほか、津和野城(島根県)、郡上八幡城(岐阜県)、有子山城(兵庫県)、黒井城(兵庫県)、利神城(兵庫県)、高取城(奈良県)、宇陀松山城(奈良県)、赤木城(三重県)など、要するに麓に川が流れている山間の山城であれば、朝霧が発生した風景に出会える可能性が高い。城跡から望むなら城に行けば良し、遠景狙いなら地元で聞き込んでどこから望めるかを事前に調べて挑むべし。

豊臣秀長ゆかりの城

秀吉の実弟・豊臣秀長が城主・城代を務めた足跡をたどる城めぐり。

竹田城周辺グルメ・名物料理

地元の自然食材をふんだんに使ったフレンチ「旧木村酒造場 EN」でランチ・夕食を。

または、このあたりは神戸牛のルーツ但馬牛を。「但馬牛焼肉 竹田屋」(TEL:079-674-0464)で。また、山城の里「清たけ」では郷土料理が味わえる。

播磨屋旅情ただよう場所でという人には、ちょっと足を伸ばして行ってほしいところがある。兵庫県では、おかき処で有名な「播磨屋 生野総本店」。JRで言うと竹田駅を姫路方面へ一駅の新井駅からタクシーで10分程度のところにある(竹田城跡から車で約20分)風情のある囲炉裏ばたでいただく「お蕎麦」(大福ぜんざいも)が良い。
そば一番奥の離れを指名すると良いぞ。なお、車で竹田城から国道312号線を南下すると突然左手に現れるのだが、思わず見落とすほど発見が難しい。播但道生野北出口のそばにあるが、南下すれば道路からは、ほとんど店があることは分からない。お気をつけて。場所は上記マップでチェック。

竹田城アクセス・駐車場・営業時間

所在地

住所:兵庫県朝来市和田山町 [地図を見る]

県別一覧:[兵庫県の城]

電話:079-672-4003(朝来市役所産業振興部観光交流課)

※竹田城跡への早朝の登城について、雲海シーズンは、シャトルバスでのみの登城など規制がかかることがあります。

開館時間・料金

観覧料は、平成27年3月20日より大人(高校生以上)500円、団体450円、中学生以下無料。平成25年10月1日から有料化されており、山開き時期のみ入城可。年間パスポート:1,000円(期間毎年4月1日~翌年3月31日)。雲海シーズンは午前4時からなど、雲海の濃い時間帯に登城ができる。詳しい開城時間は、上記公式サイトでご確認を。

アクセス

鉄道利用

JR播但線、竹田駅下車、徒歩40分。

駅から徒歩の場合はちょっと体力がいる。海抜354m、虎臥山の山頂が竹田城跡。山頂までは竹田駅の西側にある法樹寺の北側から徒歩で、途中、竹田城の石垣に使う石を切り出した石切場などを見ながら登城できるが急勾配の徒歩40分。

JR竹田駅から天空バス利用

JR竹田駅から天空バスで約20分、中腹バス停まで行ける。そこから徒歩約20分で城跡。

JR竹田駅からタクシー利用

急勾配の登山はちょっと…という人は、駅からタクシー利用で。日中はJR竹田駅構内の「わだやま観光案内所」で呼んでもらえる。または竹田駅のとなりのJR和田山駅でタクシーを。和田山駅から約20分で竹田城の第一駐車場に着く。

タクシー利用で雲海狙いの場合

雲海狙いの場合は、ちょっと注意が必要だ。タクシーの運行は朝5時以降。朝は台数が少ないため要予約となる。「竹田城の雲海が見たい」と言えば、対応してくれる。なお、夜明け前の風景は興味がない場合は、朝6時とか7時とかのタクシー利用で日の出から1〜2時間ほど出ている雲海を楽しめる。もしも前泊するなら竹田駅近郊(4件のみ・後述)、または和田山駅近郊で宿泊すると良い。

マイカー利用、目指すは「山城の郷」

播但連絡道路、和田山ICから、国道312号線を南へ約10分。

車道は2つあったが、2013年度以降、加都交差点から西へ入り「山城の郷」を経由する「西登山道」のみとなり、「南登山道」は通行不可となっている。主に「山城の郷」の駐車場を利用する。時期によりさらに上の花屋敷下の第一駐車場、第二駐車場(60台程度)も利用できることがある。

※その昔は大手門跡前まで車で入ることができたが、現在は第一駐車場から先の道路は車両進入禁止となっている。

なお、12月中旬から3月頃まで、降雪や凍結で危険が予想される。主に2月は入山禁止となる。

地図

竹田城周辺ホテル・宿泊情報

JR竹田駅付近には宿は4件。いずれもJR竹田駅から徒歩1分程度(場所はGoogleマップで)。 そのほか、となりのJR和田山駅近郊に陣取れば、ビジネスホテルなど宿が数件ある。城跡までタクシー利用OKなら和田山駅近郊で。

  • 中井屋旅館(旅館・最大定員15人)TEL:079-674-2030
  • 竹田町屋 寺子屋はな亭(旅館・最大定員7人)TEL:079-674-0558
  • 旧木村酒造場 EN(旅館・最大定員14人)TEL:079-674-0501
  • 竹田城下まち朱々(旅館・3室)TEL:079-670-6710

有名な城をめぐる旅の場合は、姫路城を訪れて後、JR姫路駅近郊のビジネスホテルに宿を取るのも良い。JR姫路駅から播但線で4時間はかかるが、姫路でレンタカーなど車利用なら、竹田城跡まで約1時間20分(73.3km)の距離。

竹田城をより深く学ぶ展示・資料館・学習スポット

竹田城の立体模型

資料展示は次の3カ所で、それぞれに立体模型があるぞ。

  • 情報館「天空の城」(石垣や曲輪、竪堀、石採場、支城の観音寺城の縄張りも含め忠実再現)
  • 山城の郷(石垣に加え、天守有りの竹田城立体デフォルメ模型)
  • JR竹田駅観光案内所(石垣に加え、天守有りの竹田城立体デフォルメ模型)

資料館は、情報館「天空の城」が面白い

竹田城跡の石垣を原寸大で再現した算木積み石垣のジオラマや、高麗瓦など出土遺構の展示、付近の城の位置など、城ファンが楽しめる内容になっている。情報館「天空の城」は、JR竹田駅から徒歩1分。館内に竹田城の石垣が再現されていたりしてちょっと面白い。

竹田城を知るには書籍『史跡 竹田城跡』

書籍『史跡 竹田城跡』書籍では、その昔、和田山町が発行していた『史跡 竹田城跡』が良い。すでに絶版になっているがたまに古本オークションなどでお目にかかれる。竹田城はもとより、その詳細な縄張り図、城下町の構造や眼鏡橋方面の当時の家臣屋敷跡、竹田城の支城の場所など明確に記されている。竹田城とその城下町など全体像が解る本として一押しの書籍(A4カラー72P)。

2014年に改訂版『史跡 竹田城跡』発行

『史跡 竹田城跡(改訂版)』書籍『史跡 竹田城跡(改訂版)』『わたしたちの竹田城』の2冊が、情報館「天空の城」(旧木村酒造場EN内)などで販売されている(A4カラー70P)。tomita3 さんから教えていただいた。記して御礼申し上げます。