赤木城は天正14年(1586)ごろ、豊臣秀長に仕えた藤堂高虎が北山一揆の鎮圧に際して築いた城とされる。十津川・北山の街道を押さえる要地に築かれ、尾根上に郭を連ねる中世山城の構えに石垣や横矢掛など近世城郭の技術も取り入れている。現在は主郭石垣や虎口が整備され、雲海の城としても知られる。このページでは赤木城の歴史や構造、見どころを豊富な写真とともに紹介する。

写真:岡 泰行(城郭カメラマン)

赤木城の歴史と見どころ

赤木城は、宇和島城今治城伊賀上野城などを手がけ、築城名人と称される藤堂高虎が関わった城で、近年は雲海の城としても知られている。豊臣秀長(秀吉弟)の支配に反発する在地勢力が天正14年(1586)ごろ大規模な一揆を形成し、その鎮圧に際して秀長に仕えていた高虎が、十津川・北山の両街道を扼するこの地に築いたとされる。

赤木城最高所にある主郭から三方の尾根に郭が置かれたほか、南麓には生活の場であったと推定される郭があった。尾根沿いの郭配置は中世山城の特徴であるが、二重の虎口や攻城兵を側面から狙う「横矢掛(よこやがかり)」、高い石垣など近世城郭に至る技術も用いられており、城造りが中世から近世へと変容していく時期を、ありありと今に伝えている。石垣についても、自然石をほぼ加工せずに積み上げた野面(のづら)乱層積みで反りが観られない一方、主郭の隅部には石の長辺と短辺を交互に積む算木積みが採用されるなど、こちらにも過度期の様態が表れている。

平成元年(1989)、赤木城は田平子峠(たびらことうげ)刑場跡とともに国の史跡に指定された。平成5年(1993)に策定された管理保存計画を元に、平成16年(2004)にかけて保存整備作業が行われ、一部の発掘調査も実施されている。城跡には建物こそないが、あたりには山里の風景が広がっている。熊野観光の折りには、田平子峠の北山一揆殉難者供養塔や日本最大級の棚田と言われる「丸山千枚田」と合わせて訪れたい。

赤木城は小さな城で比高は約30m、駐車場からほぼドアツードア。東郭、主郭、北郭、西郭、南郭とすべて見ても訪城時間はさほどかからない。全景を写真に撮りたい人は、撮影方法記載の雲海撮影スポットへどうぞ。

赤木城主郭に至る虎口
赤木城主郭に至る虎口と石垣。上段中央にある大き目の石は見栄えも考慮されたもの。

赤木城東郭の門跡
城の入り口となる東郭の門跡。通路の勾配を急にして防御性を高めている。

赤木城の主郭
主郭は約800平米の面積を持ち、高さ4mほどの石垣に取り囲まれていた。

赤木城跡パンフレット

国史跡 赤木城跡パンフレット赤木城跡は、現地では虎口や郭など、各所に解説板が設置されているので、見るべきポイントを見落とすことは無い。資料は、駐車場にあるトイレの入口に、A3二つ折りの赤木城の縄張図が掲載されたパンフレットがある(2015年10月発行)。表紙は桜バージョンと主郭虎口バージョンの2種。なおこのパンフレットは「観光三重」サイトでPDFにて閲覧できる。そのほか、赤木城の出土品は、「紀和鉱山資料館」に展示されている。(月曜休館・上記Googleマップ参照)

赤木城の撮影スポットと絶景

雲海の撮影場所

赤木城の雲海撮影場所県道40号線の道路上から赤木城の雲海を望める場所がある。詳しくは上記Googleマップを参照されたし。木々の切れ目から城跡を綺麗に観ようとすると、10人強、三脚を並べられるといったところ。雲海は、三重県でいうと「風伝おろし」のように周囲の山から朝霧が降りてきて城跡にかかるところを捉えるといったかたちで、いい具合に雲がかかるのを捉えるには何回かトライする必要があるかも。

赤木城の写真集

城郭カメラマンが撮影した「お城めぐりFAN LIBRARY」には、赤木城の魅力を映す写真が並ぶ。事前に目にしておけば現地での発見が鮮やかになり、旅の余韻もいっそう深まる。

赤木城とあわせて訪ねたい史跡

田平子峠刑場跡・北山一揆殉難者供養塔

田平子峠刑場跡・北山一揆殉難者供養塔田平子峠は、新領主となった藤堂高虎らに抵抗した北山の国人衆や多数の農民が斬首された場所。県道765号線沿いにあり、峠の頂上付近に「田平子峠」の石碑、道路を挟んですぐ南側の土手上に「北山一揆殉難者供養塔」がある。なお、文化遺産オンラインや観光サイトでは、赤木城と同じ位置に地図上プロットされているが、これは間違っているので正確な場所は上記Googleマイマップを参照されたし。

丸山千枚田

丸山千枚田城戦国と関係ないが、丸山千枚田(いわゆる棚田)が県道40号線を南下したところにあるので、ちらっと観ておこう。丸山千枚田は、日本棚田100選に選ばれていて、眼下を埋め尽くす結構な規模。展望休憩所(上記Googleマップ参照)から望むと良い。車5台ほどの駐車スペースがある。

赤木城から広がる城めぐり

近郊の城

藤堂高虎ゆかりの城

戦国時代を生き抜き、築城の名手として各地に足跡を残した藤堂高虎。

赤木城周辺の名物料理

食事処は付近に無い。赤木城に向かう途中にある道の駅などですませておこう。

赤木城の観光情報とアクセス

所在地

住所:三重県熊野市紀和町赤木字城山 [MAP] 県別一覧[三重県]

電話:0597-89-4111(熊野市役所)

アクセス

鉄道利用

JR紀勢本線、熊野市駅下車、タクシー約35分。

マイカー利用

大阪方面からは、南阪奈自動車道、葛城ICから2時間40分(110km)。紀伊田辺城方面からは、紀勢自動車道、上富田ICから約1時間50分(80km)。名古屋・松阪方面からは、紀勢自動車道、尾鷲北ICから、約1時間7分(50.4km)。無料駐車場(約10台)あり。

赤木城観光に便利なホテル

南西へ車で約30分の距離にホテル「瀞流荘」がる。さらに西に少しいくと、湯の峰温泉や十津川温泉もあるので、ここは風情のある温泉宿をターゲットに。

赤木城:城ファンの知見と記録

赤木城を訪ねた人たちが残してきた記録です。現地での発見や知見が寄せられ、城歩きの文化の中で育まれてきた経験がここに蓄積されています(全3件)。

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    赤木城で見られる礎石は当時のものだが、虎口の門礎石は遺構の石を埋めて、その上に新しい石を置いているらしい。東郭の門跡は遺構の礎石で、足りない礎石が補充されているのだとか。

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    Googleマップでは、赤木城と検索すればその該当地が2つあるように見えるがもちろん1カ所。その付近まで足を運べば大きく看板も出ていて迷うことはない。

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    主郭を中心に三方に尾根が出ており、それぞれ東郭、北郭、西郭となっている。山の地形を生かしたいわゆる中世山城タイプ。これを石垣でコーティングした近世要素も入った様相。南郭は、東郭と西郭で囲われた山裾にあり生活の場。

城の情報

赤木城での発見を記録に残しませんか?