大阪城の夕景・ライトアップ

大阪城のライトアップとは

大阪城のライトアップは、大阪城天守閣の平成の大改修を終えた平成9年(1997)から始まった。大阪城天守閣を中心に本丸石垣や大手門、千貫櫓乾櫓などがライトアップされている。その美しさから、大阪城は2014年に日本三大夜城に認定されている(ほか高知城高田城)。

ライトアップの時間

大阪城天守閣のライトアップは段階的に灯される。それはこういった仕掛けだ。まずおおよそ日没時間に石垣への照明が点灯し、次に日没10分後に天守最上階の入母屋最上部と各階の窓に灯りがともる。この時、どこか懐かしい暖かさのある電球のような黄色い輝きを放つ。そして日没20分後には外壁を白く照らす照明が灯され、約1時間をかけて天守の壁が白く輝くフル点灯の状態となる。消灯は24時より順次消灯し24時30分には全消灯する(2019年6月から1時間延長されこの消灯時間となった)。

ライトアップの開始時間は、日没を自動感知している訳ではなく、日没時間に合わせて約1週間強ごとに変動するかたちでプログラミングされている。多い月で約4回異なる開始時間が設定され、その美しさへの拘りが垣間見られる。時間をかけて変化する大阪城のライトアップの光景が、他の城のライトアップと異なる美しさがあるのは、そのデザインとこういった細かな演出がなされているためだ。

大阪城のライトアップ、第一段階
日没後から始まるライトアップ。季節と撮影スポットによっては、空が赤く焼けた夕景と大阪城の天守をセットで撮影できるのが特徴だ。

美しさの秘密、それは刻一刻と変化するライトアップ

大阪城のライトアップはその演出に段階があり、最初は、天守上部の伏虎(ふしこ)と入母屋破風上部にスポットライトがあたり、天守の窓に明かりが灯る(上記写真2枚)。この状態が結構な人気があるのだが、それは窓から漏れる黄色い明かりが、人の暖かみを演出していることにある。まるで、日暮れに家路につくような、そういった住まいの暖かさを思い起こさせるかのようだ。また、この窓の灯りは大阪城天守閣内の明かりが漏れているのではなく、窓の内側をこうしたことを意図してライトアップしている。

その後、白い光を発光するライトが、天守の壁面すべてを照らし、ゆっくりとフル点灯してゆく(下写真)。やがて白く輝く大阪城となる。ライトアップはその変化をじっくり眺めてみるとその演出が実に面白い。

大阪城のライトアップ、最終段階

大阪城内では他に、本丸石垣や大手門千貫櫓など、随所でライトアップされており、その風情が愉しめる。

大阪城本丸石垣のライトアップ
桜門から観る大阪城のライトアップ

大阪城大手門のライトアップ

大阪歴史博物館から観るライトアップ

大阪歴史博物館から大阪城のライトアップを捉えるには、特別展の期間中の金曜夜に訪れると良い。午後8時まで開館しておりライトアップが観られる。OBPのビル群が、まるで屏風のように大阪城天守閣の借景となり、視界すべてが光輝く風景となる。

大阪歴史博物館から観る大阪城のライトアップ
なお、博物館内は三脚禁止なので、手ぶれ補正の効くカメラを用いるか、ISO感度を上げ、窓ガラスや柱などに手でうまくカメラを固定して撮ると良い。また窓に光の反射ができるだけ無いところを探してカメラを構えると綺麗に撮ることができるぞ。夜間に入館できる特別展の情報は、大阪歴史博物館のWebサイトでご確認を。

ライトアップを綺麗に撮るには

ライトアップを綺麗に写真に撮りたい人は、以下の記事に撮影のポイントをまとめたので合わせてどうぞ。また、大坂城豊臣石垣公開プロジェクトのコラムでも筆者がライトアップの撮影スポットを紹介しているので合わせてご参照を。

照明デザイナー

大阪城のライトアップは、平成の大改修を終えた平成9年(1997)から始まった。照明デザインは、ライトアップの第一人者といわれ、東京タワーや横浜ベイブリッジ、明石海峡大橋などのライトアップを手がけた、石井幹子さんによるものだ。城では、大阪城姫路城、信州上田城の夜桜のライトアップをてがけている。

大阪城ライトアップは、白さに締まりがある

近年、ライトアップの光源がLEDに変わり、白漆喰が光る白さに締まりが無くなり、絵的にぼやけてしまった城もある。大阪城は平成9年(1997)からその設備が変わっていない。つまり昔ながらのライトで、LEDと比べると白さにシャープさというか締まりがありこれがいい。大阪城に足を運んだ際は、是非、美しいライトアップを観てほしい。なお、ライトアップの撮影方法はこちらで解説しているので合わせてご参照を。余談ながら、城で最初のライトアップは、信長の安土城といわれ、天正9年(1581)のお盆の日に行われたそうだ。光源は提灯と松明。オレンジ色の発色だったのではないかと思われる。

ライトアップの色について

ライトアップは通常、前述の通り白く輝くが、まれにピンク色や青色にライトアップされることがある。11月中旬の「世界糖尿病デー」や4月下旬、新型コロナウイルス感染症で医療従事者に感謝の気持ちを表すブルーライトアップ、10月は乳がんの正しい知識を広める啓発運動「大阪ピンクリボンキャンペーン」のピンクライトアップなど。電気設備点検時はライトアップは中止されるが原則として1年中ライトアップされている。ブルーライトアップ、ピンクライトアップ、点灯中止については大阪城天守閣サイトで告知されているのでチェックしておこう。

ライトアップ装置

大阪城のライトアップ装置
大阪城のライトアップ装置に貼られたカラーフィルム
ライトアップ装置は、本丸西側の雁木上の南北(一部立入禁止)や大阪城天守閣の東にある配水池上(立入禁止)に設置されている。先の色変更は、昔ながらの電球によるライトアップのため、昨今のLEDによるライトアップと異なり簡単に変更はできず、色変更の際は大阪市の方々の手によってライト装置の前面にカラーフィルムを貼るかたちで行われている。このため色は多少シックな色合いとなり、そのバランスは保たれているように見える。LEDより美しさが秀でているライトアップ。今後もこの絶景を写真を通して継承していきたい。

(文・写真=岡 泰行)

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